声優、俳優として活動中の高城元気の個人ブログです。大事なことも日々のことも楽しく記録していけたらいいですねぇ~
バースデーメモリR25
2010年10月04日 (月) | 編集 |


品川駅、港南口。

昼間暑かったのが嘘のような涼しい海風が吹く。
時間は22時。

長かった一日もついに終わりが近づいている。


目の前にたたずむ男性二人。
大富豪ケンジ・ロック氏とその従者さん。

ケンジ・ロック氏の手には虫籠。
マジでか?

「アナタハ?」

オーケー。外国の富豪設定なのね。

「細羽蒼真ッス」

「ノーノーノー。自分ガ何者ナノカ、ラップ調デ説明シテ下サイ」

きたぁ。。

最終関門はそっち系ね。

もぅ。
やりますよ。

「俺の♪名前は♪、、、」
「ノーノーダメ。声が小さい、全力で。」

ちっ。
辺りをキョロキョロ。

「、、周りに怒られそうな人いないよな?よし、門起!ボイパ頼む!」

「え?ヤダよ、てかあまり寄らないで!」

薄情な兄貴だ。
まぁここまできたらやりますよ?俺は!


、、、



「OKデハアナタハ何ヲシタイノカ、演歌調デドウゾ」

、、こうなりゃヤケだ。


もっと大きく!コブシをきかせて!

リテイクは多かったが伝えたのは次の通り。

―今日、貴方の依頼でその虫を探してました。でもそれはあってはならない虫。
俺に譲ってくれませんか?

「何言イマスカ?コレハ私ガ5億デツイ先程ヤット手二入レマシタ。偽物持ッテ来ル人モ大勢イマシタノデ、欲シイ言ッテタ女ノ子ニ格安デ偽物ノ方、譲ッテアゲマシタ。ォー私商売上手!」

―そこを何とか、、

「マァ、貴方ノ言イ分モ分カリマス。デハ、コウシマショウ。今日貴方ノシテキタ事ト30歳ヘノ抱負ヲ、大キナ声デ、オペラ調デ唄ッテ下サイ。見事私達ノ心ヲ打テタラコノ虫、差シ上ゲマショウ。」


成る程、最後に相応しい課題スね。

そして夜の品川駅に俺のソウルが響き渡る!

♪♪♪♪♪
♪♪♪

見つめる門起が俺との距離を更にあけていたのが少々気になった。


――――、、、


目から、、というかサングラスから涙を流すケンジ・ロック氏と従者さん。
手に目薬が握られていたのは俺は知らない。

「スバラシイ!!イイデショウ、虫ハ差シ上ゲマス」

あっさりキャリーフライを俺に渡して去って行く。


誕プレに5億の虫かぁ。。富豪は違うねぇ。
転売、、くぅ。

正義の見方はツラい。

「そ、蒼真く~ん」

門起が俺の背後を指差している。

「ん?」


そこには、、


派出所だぁぁぁぁあ!!


俺の真後ろ、丁度死角にそれはあったのだ。初めから。

「門起~っ!早く言えよこのやろう!!」

「悪りぃ!でも蒼真、ここは一刻も早く、、、逃げるぞ!」

「、、ガッテン兄ちゃん!」


、、、


「ところで蒼真、そういやキャリーフライどうした?」

「あ?コレ?門起見ろよ、一応元専門家だろ?俺本物見たことねーもん。」

「よし。どれどれ、、、おー!」

「どうだ門起?」

「こりゃ本物だ」

「マジでか!?」

「おぅ、本物のクマゼミだ!」


「セミかよ!?」

「馬鹿言っちゃいけないよ?こりゃ東京じゃ滅多に、、」

「ぐぐっ、、こんなものの為に、、!」

「蒼真くん?」

「てめぇ、門起、最初っからキャリーフライなんかいねぇじゃねーか!つか、カレーライスとかどんだけ聞き間違えてんだよ!!」


「ギャア!ごめんよ蒼真~、まぁ俺達兄弟だろ?多目にみようぜ?たまにはこんなこともあるって!いゃあ、兄ちゃん大失敗☆」


俺の行き場のない怒りが頂点に達する直前門起のポケットから封筒が落ちる。

「?何だこれ?」

「ぁーっと、、パチンコね、、ちょーっとだけ調子良かったんだよねぇ、、、」

「許す!」

「ぇ?」

「サンキュー門起ーっ!」

「コラ待て!蒼真返せ!!」

「門起、早くずらかろうぜ!」

「待てー!」


俺は門起からのおこずかいを手に再び走り出す。

みんなの待つパーティー会場へ、、


妃乃から無事運転免許証GETのメールが届いたのはその道すがらだった。


END



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